こんにちは。時計修理専門店シエンの山口です。
先日紹介したロレックス デイトナ Ref.16520のムーブメントCal.4030 エルプリメロを紹介します。
今までロレックスのデイトナは、バルジュー製のムーブメントを採用してきましたが、このRef.16520からは、『ゼニス社のエル・プリメロ Cal.400』をベースにしています。
エル・プリメロといえば、1969年に開発された自動巻クロノグラフ・ムーブメントで、毎時3万6000振動を実現しています。(3万6000振動がどれだけ早い動きをしているのかというと、秒針が1秒間に10回動いて1秒に達します)
もちろんロレックスは、そのままこのムーブメントを採用せず、独自に改良しています。振動数を毎時2万8000振動にし、耐久面を向上させ、テンプやガンギ車などおそらく200か所以上を改良してCal.4030を開発しました。
このCal.4030からすべてのデイトナは、クロノメータームーブメントになりました。
せっかくなので、なぜエル・プリメロがここまで認知されたのか?を私なりに説明します。
大きな理由は2つで
●1つ目の理由
世界で初めての自動巻専用に設計されたムーブメントなのです。当時はホイヤー社、ブライトリング社、ハミルトン社で共同開発していた、自動巻クロノグラフ・ムーブメント『クロノマチック』があるが、 これは手巻きムーブメントに自動巻機能を追加して開発されたムーブメントだが、エル・プリメロは一から自動巻クロノグラフ・ムーブメントを開発し、ゼニス社の高い技術者が認められたからと思われます。
●2つ目の理由
毎時3万6000振動のハイビートムーブメント!現在でもこれほどのテンプの振動数を超える機械式ムーブメントはまだ発表されていないと思います。
これだけ早いテンプの振動数を眺めていると感動します!
もちろんハイビートになれば、頻繁にパーツが反復運動をするので、各パーツの摩耗は早くなります。ガンギ車やアンクル部分は、最も消耗が激しいですが、ガンギ車の歯数を21枚に(通常のガンギ車の歯数は15枚)増やし、アンクルの爪専用の潤滑油を開発し耐久性を向上させています。
精度の高いムーブメントには、メンテナンスも超一流技術のレベルが求められます!エル・プリメロ搭載のメンテナンス、ロレックス デイトナのメンテナンスは、是非 時計修理専門店シエンにお任せ下さい!
安心していただける技術者のもとメンテナンスさせて頂きます!