こんにちは。時計修理専門店シエンの山口です。
ロレックス コスモグラフ デイトナの非防水の手巻きモデルから、自動巻きクロノメーターになるまでを今後紹介していきたいと思います。
まずは『コスモグラフ デイトナ』の名前の由来から!
『コスモグラフ』はNASAの宇宙開発を意識した可能性が高いと言われて、『デイトナ』は1959年 アメリカ フロリダ州のデイトナ・ビーチに開設された”デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ”にちなんでつけられたとされています。
※世界3大耐久レースのひとつ
宇宙、モータースポーツのジャンルで挑んだロレックスでしたが、残念ながらNASAの公式時計には採用されなかった。しかしモータースポーツのイメージを見事にかちとり、世界で一躍有名になっていきました。
そして、初代デイトナとされるRef6239を紹介します!
ロレックス コスモグラフ デイトナ Ref6239
デイトナは61年に登場したとされ、今までのロレックス クロノグラフと違うっポイントは3点あり、
1つ目はタキメーターをベゼルに直接彫り込んでいる
(タキメーター表示は、発売時期によって微妙な違いがあります。発売当初は60~300までの表示が全てバーの目盛で表記され、275の表記が存在する。少しして同じく60~300までの表示でありながら、140~300までの目盛がバーからドットタイプとなり、275の表記がなくなりました。後期になると目盛は50~200になります。ちなみに現行モデルは60~400の表記)
2つ目は3・6・9時位置にあるインダイアル
(インダイアルの色が文字盤の色と違う独創的なデザインになりました)
3つ目は文字盤のCOSMOGRAPH DAYTONA表記
(3つ目の表記に関しては、様々なバリエーションがあり、『DAYTONA』の表記位置が6時位置のインダイアルの上にあったり、そもそもDAYTONA表記がなかったりします)
ムーブメントにはバルジュー製のCal.72Bを搭載し、その後、改良版のCal.722-1に変更されています。
バルジュー製のCal72は当時、多くのメーカーが採用していた、高性能ムーブメント!ロレックスはCal.72を改良してCal.72Bとして採用しています。
ケースはオイスターケースを使っていますが、プッシュボタンはねじ込み式になっていないので、防水性は確保されていません。だから文字盤にオイスター表記がなかったんでしょうね。
この時代は、生産時期により様々な違いがあるので、非常に奥が深いです。ロレックスは秘密主義?ともいわれるぐらいですので、常に新しい発見が出てきます。面白い情報は随時アップしていきます!!!
●Ref6239
製造年代:1961年~1960年代半ば
ムーブメント:バルジュー製Cal.72B、バルジュー製Cal.722-1