ロレックスのような高級ブランド腕時計にも、定期的なメンテナンスは必要不可欠です。
部品同士で摩耗が生じる箇所の油が劣化、酸化することにより、油切れが生じてくるからです。
油が切れている状態で時計を使用し続けることはパーツの摩耗につながるため、定期的な「オーバーホール」(分解掃除)は必須です。
しかし、「ロレックスのオーバーホールはどのくらいの頻度で出せば良いのか?」理解していない方も多いのではないでしょうか?
ということで本記事では、
- そもそも、オーバーホールって何?なぜ必要なの?
- ロレックス公式は10年以内のオーバーホールをオススメしているけど、それって本当?
- ロレックスをオーバーホールに出すオススメの頻度はどのくらい?
これらの疑問について初心者にもわかりやすく解説していきます。
オーバーホールとは
オーバーホールとは、時計のすべての部品を分解、洗浄し、組立、注油、調整、実測、検品までを一連に実施する工程のことです。
大切な時計を長持ちさせ、正確に動かすために必要となります。
ロレックスのような高級腕時計であっても、毎日時を刻んでいると必ずどこかしらの部品が摩耗し、油が劣化、酸化していきます。
時計の内部には何種類もの油が使用されているので、油が劣化、酸化した状態で時計を使い続けると、時計の精度は狂い、最終的には動かなくなってしまうこともありうるのです。
そうならないために、定期的なオーバーホールを実施し、時計のメンテナンスをする必要があるということです。
定期的なオーバーホールをしっかりと実施していれば、時計の性能を維持させることができますし、寿命を伸ばすこともできます。
自動車であっても、エンジンオイルが汚れると、オイルの燃えカスであるスラッジ(汚泥)が発生し、エンジンの性能や燃費が悪化しますよね。
これと同様に、時計の場合も油の劣化を防ぎ、パーツの性能を維持させるために、定期的なオーバーホールが必要になってくるのです。
公式の情報通り、ロレックスのオーバーホールは10年以内に1回で大丈夫なのか?
では、ロレックスの場合、オーバーホールはどのくらいの頻度で出せば良いのでしょうか?
ロレックス公式ページには、次のような記載があります。
“モデルや使用状況により、頻度は異なりますが、およそ10年以内にオーバーホールを受けることをおすすめしています。” (“ロレックス よくあるご質問”)
(引用元:https://www.rolex.com/ja/watch-care-and-service/faq.html)
具体的なモデルや使用状況については言及されていませんが、時計の精度と防水性能を維持するためには、10年以内に一度はオーバーホールを受けるべきだということです。
ロレックス公式に依頼することが前提で、特に不具合がないならば、10年以内に1回のオーバーホールでも問題はないでしょう。
しかし、時計になんらかの異常が見られた場合は、この限りではありません。
そもそも、モデルや使用状況によってオーバーホールに出すべき時期は異なります。
「ロレックスを毎日肌身離さず身につけている」など、かなりの頻度で使用している場合には、オーバーホールに出すべき間隔は短くなります。オイル切れや部品同士の摩擦によるダメージが蓄積されているからです。
そうなると、ある日突然止まってしまったり、部品の取り換えが必要になってしまうかもしれません。そのような場合はオーバーホールではなく、”修理”になってしまい、多額の出費が必要になってしまいます。
ですので、使用頻度が低く、特に不具合がないならば10年以内に1回のオーバーホールでも問題はないでしょうが、使用頻度が高い場合は、もっと頻繁にオーバーホールに出した方が良いでしょう。
オーバーホールに出す頻度は、3〜5年に1回が望ましい
以上を踏まえての弊社の見解としては、ご自身の大切なロレックスを長持ちさせたいなら、オーバーホールは3〜5年に1回出すのが望ましいです。
なぜなら、3〜5年ほどで潤滑油が劣化し、油切れによる部品の摩耗が早まってくるからです。
特に、新品を購入してから最初の3年ほどは部品同士の磨耗による金属粉が出やすく、潤滑油も劣化しやすいです。
ロレックスの防水対策に欠かせないゴムパッキンも、3〜5年ほどで劣化していくとされています。防水性能が低下し、内部に水が入り込むことによって深刻なダメージを受けてしまうのです。
また、ロレックスの保証期間は、新品購入後から5年間です。
“ロレックスは、ご購入日より5年間、時計が正常に作動することを保証いたします。” (“ロレックス よくあるご質問”)
(引用元:https://www.rolex.com/ja/watch-care-and-service/faq.html)
ですので、週5回のように高い頻度でロレックスを使用しているという方は、内部に相当なダメージが溜まっていることを覚悟しておいた方が良いでしょう。
つまり、購入から5年以上の期間が経過しており、使用頻度も高い場合、油がどんどん劣化してパーツの消耗が早まっているということです。
状態によってはオーバーホールではなく、部品の交換といった”修理”になってしまう可能性もあります。
そういった事故を未然に防ぐためにも、3〜5年に1回はオーバーホールに出すようにしましょう。
まとめ
以上、時計をオーバーホールに出す適切な頻度について解説してまいりました。
基本的には、モデルや使用状況に関わらず、ロレックスであれば3〜4年程度を目安にオーバーホールに出すことを検討してみてください。
もちろん、オーバーホールだけでなく、日常のケアも非常に重要です。高温多湿や低温な場所や、磁気や直射日光の当たる場所は避け、安定した場所で保管するようにしましょう。専用ケースなどに入れて保管すると安心です。
また、油を劣化させないため、使用しない時にはなるべく時計を動かさないようにしましょう。車のエンジンオイルと同様に、内部のパーツが動いていると油の劣化が早まります。
日常のケアに気を配り、できるだけ早い段階でオーバーホールに出すことをすること。これこそがあなたの大切な時計を長持ちさせる秘訣なのです。